とは言っても、「世界人口の増加と温暖化によって、世界では水の供給不足や、グローバル企業の買い占めによる不平等が広がっている」みたいな、スケールの大きい話ではありません。
結論から言うと、「ウチの妻が水をよく飲むようになった」と言うお話です。
それだけかい!
今では、1日に水を2リットル以上飲む妻ですが、付き合った当初はほとんど水を飲むところを見たことがありませんでした。
デートしても、喫茶店やレストランで出される水を飲んだところを見たことがなかった。
ところが、それまで毎年優秀な成績で健康診断をパスしていた彼女が、2年前に大腸の検査で引っかかってから、水を飲むようになったのです。
今回は、妻がそれまで水を飲む習慣がなかった理由と、そして世代間で起きがちな「思いこみ」にどのようなリスクがあるのかについて考えました。
「美徳」や「精神性」にひそむ危うさ
僕が学生の頃って、運動部は「水を飲むな!」って言われていました。科学的根拠よりも精神論で「我慢ができないような奴は根性がない」と言った理由だったと思います。
似たような感じで「エアコンをつけるなんて軟弱」みたいなことも言われてた。
さすがに今は暑い日に水分を取らなかったり、炎天下で運動を続けると脱水症状や熱中症のリスクがあるので、そんなことは言われていないと思います。
新型コロナウイルスの流行で空調や水分補給には余計に敏感になった気がする。
生徒たちにはこまめに水分補給をするように指導していた妻ですが、当の本人は、水分補給をしているところを見たことがありませんでした。以前、その理由を尋ねたところ、こんな回答が返ってきました。
- 水を飲みすぎると、むくむ気がする
- 飲みすぎると動きにくくなる気がする
- レッスン中にトイレに行きたくなると困る
- 水を飲まなくても動ける
水を飲むようになった今、上記の懸念はどう変化したでしょうか?
- むくまない。むしろ乾燥肌が治った。
- 一度に量をとらず、飲む回数を増やせば動きにくくならない。
- トイレは行きたくなるのでレッスンの合間に行っている。
- 水を飲み始めたら疲れづらくなり、足がつらなくなった。
トイレの回数は増えましたが、それ以外は良いことずくめです。とくに妻は肌が弱かったので、それまで色々な石鹸や化粧品を試していたのですが、それよりも「水を飲むこと」が一番効いたのが驚きでした。
妻の変化を見て改めて思ったのは、頭で理解していても、幼少期に根付いてしまった思いこみってなかなか抜けない、と言うことです。それはその思い込みが「美徳」とされている精神性に結びついているからだと思います。
妻の場合、喉の渇きを我慢してレッスンをすることが、ダンサーとして「自分に厳しいこと」「ストイックであること」という美徳に結びついていたんだと思う。
また、本当は単にエアコンが普及していなかっただけなのに、大人たちから暑いのを我慢している子供が「良い子」として扱われてしまったら、暑くても我慢することが「美徳」に感じられてしまいます。
まとめ
ルネサンス以前の中世ヨーロッパは、聖書に書いてあることと科学の発展を分けて考えることができず、中国や中東の国々から文化の発展で大きく遅れを取りました。「聖書の教えを信じることは善きこと」と言う思いこみから抜け出せなかったのです。
僕も気をつけたいのは、自分の価値観だけで判断すると間違った思い込みがある、ということです。
水を飲まないで育った世代は、すぐに水を欲しがる人を軟弱だ、と思うかもしれません。何度もトイレに行きたがる人を、集中力が欠けている、と思うかもしれません。
もしくは、ひとつのレッスン方法で成功経験があるベテランダンサーは、20年経っても同じ方法でレッスンをして怪我をするかもしれません。
バレエが一般人にエクササイズとして普及したのは20世紀に入ってからです。子供から高齢者までのあらゆる世代がバレエを楽しめるようになるために、カラダも頭も柔軟にしないとですね。
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