世代を超えた教室の価値

ライムライトの仕事部屋
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今日のブログは8月21日に音声配信した「お弟子さんとの対話で見えた、世代を超える教室の価値」のブログ版です。

夏休み期間中に、祖父母の時代の執行バレエスクールを知るお弟子さんにお会いする機会があり、いろいろなお話を伺ったり、貴重な資料を提供いただいたのですが、この方が音声配信は試聴されていないとのことだったので、ブログでも触れておこうと思います。

どうやら音声配信は聴かずに(もしくは聴き方がわからず)、ブログだけ読んでいる方が結構いるみたい。こちらの記事で詳しい試聴方法を解説しているよ。

「幕開けの足跡」は、さらに昔に遡ります

みなさん、「幕開けの足跡」シリーズはお読みですか?これは、執行バレエスクールが毎年開催している発表会の挨拶文を、年代順に紹介していくシリーズです。

母が執行に嫁いでから保管してきた最古のプログラムを元に、数日前に1973年の記事をアップしたのですが、それよりもさらに古いプログラムを入手することができました。どうやって手に入れたかというと、じつは先日、母が嫁いでくる前の時代からバレエ教室に通っていた方から連絡をいただいて、驚いたことに1971年と1972年のプログラムを大切に保管されていて、快く提供してくださったのです。

実際にお会いして、僕が生まれる前の教室の話をいろいろと話して下さいました。

その方は、8歳から30歳まで執行バレエスクールに通い続けて、大学生の時には助教師も務めていたそうです。僕もその頃には生まれているのでお会いしたことはあるはずですが、幼過ぎたのか、その頃の記憶はありません。

祖母のレッスン

元お弟子さんとの話で、特に印象に残ったのが祖母の話です。これまで祖母について、あまり紹介してきませんでしたが、それは僕が祖母がどんなレッスンをしていたのか、あまり知らなかったからです。

祖母は元々、ドイツでモダンバレエを学んだ祖父が帰国後に創設した舞踊研究所の初期のお弟子さんで、元タカラジェンヌ*でした。興味深いのは、元お弟子さんが10歳頃まで受けた祖母のレッスン内容です。バーレッスンは行いますが、マット運動やリズム体操、動物になりきる練習や、好きな形でジャンプするなど、表現力や創造性を育む練習が中心だったそうです。本格的にクラシックバレエを習ったのは、僕の母に教わるようになってからだそうです。

*宝塚歌劇団の団員に対する愛称

祖母の花月達子

この話を聞いて思い出したのが「スタジオアルマ」です。ブログ配信でも時々紹介しているスタジオアルマ。主宰の小泉憲央は、僕の高校の同級生で、最初は劇団で役者をしながら僕の父にバレエを教わっていました。その後、本格的にモダンバレエを学んで、今では自分の劇団を持っています。

今年からスタジオアルマは劇団の活動と並行して子供向けの教室も開講して、僕も何度かレッスンに立ち会っているのですが、その内容が祖母が昔教えていた内容にそっくりで、不思議な縁を感じずにはいられません。

そして、お弟子さんが助教師になり、小さな子供たちのクラスを受け持つようになった時に祖母に言われた言葉が心に残りました。

「とにかくバレエを好きになるレッスンをやりなさい」

当たり前に聞こえるかもしれませんが、60代を過ぎた今もバレエを続けている方から聞くと、重みのある言葉だと感じます。

年に一度の発表会で元お弟子さんたちが集まるそうですが、子供時代に祖母からレッスンを教わった方達は、いまだにバレエを続けていたり、娘さんやお孫さんがバレエを習っているそうです。

そのお話を聞いていて、発表会の新しい価値というか、別の側面に気がつきました。

発表会は、子どもたちの晴れ舞台であり、ご家族が見に来る場所というだけでなく、同窓会のような役割も果たしているということです。

教室を卒業した方々が、毎年発表会を見に来て旧交を温めたり、助教師時代に生徒だった人が母親になり、父母会の役員として参加しているところで再会したり。懐かしい振付を見て当時を思い出したり、お互いの近況を語り合ったり。このつながりが、今でも続いているのです。

このつながりがあるからこそ、新しいクラスを始める時もすぐに情報が広まっていくのです。今年の9月からはじまる幼児向けクラスも、おかげさまですぐに定員を迎えることができました。

これは教室にとっても、本当に大切な財産です。

まとめ

貴重なお話と大切な資料を提供くださった方に、この場を借りて改めて御礼申し上げます。

次回、「幕開けの足跡」シリーズは1973年からさらに2年遡り、1971年のプログラムをご紹介します。

バレエが好きになるレッスン

元オリンピック陸上選手の為末大さんは著作「熟達論」の中で、あらゆる身体操作を「遊び」から始める重要性を説いています。

また、プロを育てることも大切ですが、技術面だけではなく「一生続けていける習い事」「心の寄りどころ」を作ることも、バレエ教室の大切な役割なのかもしれません。

 


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