僕にとってロシアは地理的には近くても、遠い国です。政治体制も違えば国土の大きさも人種も言語も宗教も違う。文化的な共通点もあまり見いだせません。
一方でロシアはバレエのメッカのひとつですし、バレエ関係者の中には実際にバレエ留学された経験のある方、知り合いが住んでいる方、ロシア人ダンサーと共演された方も多くいらっしゃるので、ウクライナとロシアの戦争は僕よりも身近に感じられる問題かもしれません。
ロシアとウクライナで戦争が始まって以来、ウクライナでの悲惨な状況はよく報道されていますが、ロシアに住む人々のことはあまり報道されません。
先日、こちらの記事を読んで、日本とロシアの意外な共通点に気が付いて調べてみたら、やはりその点は非常に日本とロシアが似通っていたことが分かりました。それによっていくぶんロシアの状況を自分ごと化できたので、今日はその共通点についてご紹介します。
その共通点とはズバリ、人口比率です。
10年前の日本と今のロシアの人口を比べてみた
左が2013年の日本、右が2023年のロシアです。なんとなく似ていませんか?先に違いを見るとロシアの平均寿命は68歳と短く、70歳以上の年齢が少ないことと、子供の人口が多いことでしょうか。しかし、有権者層の多くで10年前の日本と類似点が見られます。また、人口も日本が約1億2800万人、ロシアが約1億4500万人と比較的似ています。
10年前の日本といえば、前年末に安倍政権が民主党から政権を奪取し、戦後生まれの団塊の世代がまだ会社のトップを務めていた時代です。僕は妻と付き合う前で、30代後半の独身でした。ロシアでは前年にプーチンがメドベージェフに代わって再び大統領の座についた時期です。
ロシアとウクライナをめぐる戦争でロシアに住む人々の声が届かないのは、もちろん強権的な恐怖政治の影響が大きいとは思いますが、僕はこの類似点を発見したときに、「そうか、ここが押さえられているから声が届かないんだ」となんとなく腑に落ちました。
60代がもつ影響力
ロシアの人口比率を上から見ると60代の人口が多く、30-40代にも山があります。
先ほどの記事にもありますが、ソビエトが崩壊した1991年にアラサー世代だった人たちが今のロシアの60代で、政権崩壊の混乱を納めたプーチンは彼らから強い支持を得ています。
また、ロシアの経済を支えているのは国営企業とオリガルヒと呼ばれる新興財閥です。かつてはロシア政府と均衡するような力を持っていたオリガルヒも、現在は換骨奪胎されて政府の影響下に置かれています。
つまりこういうことです。仕事場で現政権の悪口でも言おうものならクビが飛ぶ危険があり、家に帰ってくると自分の親世代はテレビを見ながら現政権を支持している。去年の景気は悪かったが、今年は中国やインドに石油を売って景気も上向いてきた。黙っていれば、今の生活を続けられる。
河岸の火事よりも自分たちの生活。そう言うメンタリティになる気持ちも分かります。
基本的に選挙に行かないことは、多数派の政党を支持することと同じです。戦争がイヤなら選挙で明確に反対票を入れなければなりません。
ただ、プライベートでも仕事でもノーが言いにくい状況で、しかもノーを言った方が自分たちの日常が壊れる可能性があると言う状況であれば、無関心ではなくても、無関心を装わざるを得ない気持ちも分かる気がします。
結果としてその無関心が、人口分布の少数派である20代の若者を戦地に送ることに繋がります。
まとめ
若者による政治闘争が敗北に終り、諦めムードのなか生まれたロスジェネ世代の僕は、真っ向から世の中に立ち向かうのではなく、軸をズラしてしなやかにサバイブしたいと言う思いが強いです。
国家という大規模な集団よりも家族への帰属意識がより強く、究極的には日本がどうなろうとも、家族だけは守りたい、国の加害に加担して、息子に後ろめたい気持ちで付き合うくらいなら国を脱出した方がマシ、僕はそう考える人間です。
だからロシアの現状は、「自分だったらどうしよう」と考えざるを得ないのです。
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この記事を執筆している2月29日の段階で集まった支援金額は213,550円!目標額の25万円まであとわずかです。
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ご興味をお持ちの方は、ぜひクラウドファンディング期間中に以下のリンクからご購入下さい。
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