今回は音声配信でお話しした「お財布の分け方」について、改めて文章としてまとめてみました。
お金の管理方法は、私たちの生活の基盤となる大切な知識です。
音声配信をお聴きになった方も後で見返せるように、また音声配信を聴いていない方にも確実に情報が届くように、文章でしっかりとまとめておきたいと思います。この記事を通じて、より多くの方にこの知識を共有できれば幸いです。
本業に集中するために知っておくべきこと
僕は自営業の家庭で育ち、会社員とフリーランス、両方の経験があります。父と母でそれぞれ収入があり、二人が別の銀行口座を持っていることは知っていましたし、僕自身、会社員からフリーランスになった時に、お金の管理方法について学ぶ必要がありました。
しかし、妻との結婚を機に気づいたことがあります。
バレエ関係の方々の多くは、サラリーマン家庭で育ち、大人になってからフリーランスになるというケースが多いのではないでしょうか。そうすると、体系的にお金の管理を学ぶ機会がなかったかもしれません。
自営業の方は自分で帳簿を作成して税務署へ確定申告しなくてはいけません。これまで誰にも帳簿の書き方を教わってこなかった方も多いのではないでしょうか?
バレエ関係ではなくても、誰しも本業以外の業務に時間を取られるのはなるべく避けたいものです。これからご紹介する「お財布を分ける」という方法で、お金の管理にかかる時間を減らし、より効率的な貯金が可能になります。
基本的なお財布の分け方
お財布を分けるということは、つまり銀行の口座を複数持つことです。たいていの銀行口座はスマホアプリで振込や明細の確認ができ、キャッシュレス決済を使えば支払いもできるので、スマホ1台で複数のお財布を持ち歩くような感覚で、お金を管理することができます。
最低限必要なのは、以下の2つです:
- プライベート用のお財布
- 仕事用のお財布
そして、パートナーがいる場合は、もう1つ追加します:
- パートナーと共同のお財布
プライベート用のお財布
自分の趣味や自由に使えるお金を管理します。例えばこんなかんじです。
- 普段着の服の購入(レオタードや衣装は除く)
- 友達や家族との食事
- 映画や舞台鑑賞
- 友達や家族への贈り物
もしあなたがバレエ教室の先生で、お世話になっている先生へお土産を贈る場合や、舞台出演者へのお花を渡したりするのは、以下に書く「仕事用のお財布」から出す。
仕事用のお財布
必要経費や設備投資、仕事に関わる支出を管理します。バレエダンサーの場合:
- 衣装・レオタード代
- バレエシューズ代
- スタジオまでの交通費
- スタジオ賃料
- スタジオ光熱費
このようにプライベートと仕事のお財布を分けることで、確定申告時の経費計算が格段に楽になります。
僕みたいに自宅で仕事をしている人は、賃貸であれば働いている空間とプライベートの空間を分けて考えて、働いている空間の賃料を経費にすることができる。たとえば、15万円の家賃のうち、3分の1を仕事場として使っている人は5万円が経費となる。経費は収入とみなされず、税金がかからない。
共同のお財布
これは家族やパートナーとの共有費用を管理するためのものです。具体的には銀行で家族カードを作成して一つの口座を二人で使えるようにします。用途はこんな感じ。
- 家賃や光熱費、食費などの生活費
- 子供の教育費
- 家族での大きな買い物
共同のお財布があることで、支出が可視化され、お互いの分担額が明確になります。また、お互いプライベートの支出を気にせず、最低限生活に必要な共同の支出だけを管理できるメリットもあります。
本人、もしくはパートナーが経理に詳しく、管理する時間的な余裕もある場合はお互いの収入や支出を全部オープンにして、どちらかに任せるのも手。ただし、パートナーのケガや死去、離婚、自然災害など不測の事態に備えて、自分で引き出せる口座は持っておいた方が良い。
3つのお財布の実践的な管理方法
1. キャッシュレス決済の活用
銀行のアプリとPayPayやRakuten Payなどキャッシュレス決済を組みあわせるのが最もおすすめの方法です:
- 支払い時に使用するお財布を即座に選択可能
- クレジットカードと会計ソフトの連携で自動仕訳
- お金の使いすぎが心配な人はチャージ機能で限度額を決められる
2. クレジットカードの使い分け
キャッシュレス決済に抵抗がある方向けです:
- プライベート用
- 仕事用
- 共同用
上の3枚のカードを分けて管理します。財布からカードを出す手間はかかりますが、会計ソフトとの連携もできますし、やや柔軟性に欠けますが利用限度額の設定で使いすぎも防げます。
3. 現金派の方は領収書を分けて管理
「キャッシュレス決済もクレジットカードも使いたくない!」という現金派のあなたは、お財布のポケットを3つに分けてレシートや領収書を管理してください。
- プライベート用ポケット
- 仕事用ポケット
- 共同用ポケット
集めたレシートや領収書を自分で帳簿に記帳していく必要がありますが、次に紹介する会計ソフトを使えば、スマホで領収書の写真を撮るだけで、会計ソフト側が自動で仕訳てくれる機能があります。
便利な帳簿の管理方法
3つに分けたお財布の内、確定申告のために帳簿をつけないといけないのは、仕事用のお財布です。仕事用のお財布の管理をさらに便利にする方法として、会計ソフトの活用をおすすめします。会計ソフトは、使ったお金を自動的に用途別に仕訳してくれるサービスです。例えば食事代や交通費、家賃などの支出を項目別に分類してくれて、使ったお金の用途が一目で分かるようになります。
おすすめの会計ソフトを2つご紹介します:
freee(フリー)
- 確定申告に特化した有料の会計ソフト
- 領収書をスマホで撮影するだけで自動仕分け
- freeeが使える税理士とも連携可能
- バックアップも安心のサービス
- 個人事業主向けプランは月額1,980円から
マネーフォワード
- 基本機能は無料で利用可能
- 複数の銀行口座やクレジットカードの明細を一元管理
- 支出を自動で項目別に分類
- 収支のグラフ化で見える化を実現
- スマートフォンアプリで手軽に利用可能
どちらのサービスも、無料トライアル期間があるので、実際に使ってみて自分に合うものを選んでいただくことをおすすめします。
青色申告会の利用
パソコンやスマホの操作が苦手で、それでも帳簿をつける労力を最小限にしたい方には、青色申告会の利用をオススメします。
- 税理士より安価な料金
- 帳簿作成の指導
- オプションで帳簿作成代行
まとめ
慣れないお金の管理は、アーティストの方々にとって悩ましい課題です。しかし、このように3つのお財布に分けて管理することで、より効率的に、そしてカンタンにお金を管理することができます。
ぜひ、ご自身に合った方法を見つけていただければと思います。
最後までお読みいただき、有難うございます!
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