今回は、以前アップした「バレエスクールDX化計画」の続編といいますか、教室のサービスを便利にしていく一方で、僕が「ああ、ここ気をつけなくちゃな〜。」と思ったことを書き留めておきます。
執行バレエスクールって、父母会の力がすごく強いんです。他の教室と比べることはできませんが、発表会のあと、毎年半分ずつメンバーが入れ替えになるにも関わらず、いつも大活躍してくれています。
以前の記事にも書きましたが、これまで教室が持っている連絡網は電話だけだったので、スクールからの連絡事項は担当教師から父母会に伝えられ、父母会メンバーがLINEなどを使って拡散してくれていました。
その他にも、年間の活動予定や発表会前のメイクのマニュアルを冊子にして配ったり、発表会では受付や案内係をしていただき、先生への贈り物を決めたり、いつどんな出費が発生するのかまで父母会が連絡してくれています。
こうやって書くとスクールが何もしていないみたいですね。
違うんです。経営のことは母親が責任者なのですが、実際の業務遂行を父母会の皆さんが率先して代行してくださっているのです。
僕はこの父母会の強力なコミュニティは、スクールの資産だと思っているし、いずれ生徒がスクールを旅立つことになったあとも、何かの形で繋がり続けられる場が必要だと考えています。
不便益という考え方
これまで教室の連絡網は電話だけで、しかも高齢の母親はパソコンの操作も苦手だし、支払いも現金のみだったので、スクールに通っている生徒や親御さんは不便に感じることもあったかと思います。
一方で、だからこそお手伝いしてくれる父母会は感謝され、必要とされ、やりがいを感じるのではないでしょうか?
京都大学情報学研究科の川上浩司教授が「不便益」という考え方を提唱しています。
たとえば、みなさんが友だちと富士山への登頂を計画したとして、旅行の前に誰かがふもとから山頂までのエレベーターを作ってしまったらどうでしょう?
余計なこと、すな!
そうなりますよね。
発表会だって先生と生徒、親が一緒になって作り上げるから達成感もひとしおなんです。もし教室側が1から10まで全部お膳立てしてしまったら、この達成感を得ることはできません。
はからずも、今のバレエスクールはそう言った「不便益」に支えられている部分があると思います。
まとめ
母に父母会の結束が強い理由を尋ねたら祖母の代から不便益は受け継いでいたようです(笑)
魅力的なコミュニティがあるところには人が集まります。
僕が引き継ぐ時には、正しく便利にする部分と、不便さから生み出される参加する喜びを意識的に分けて考えておかないと、味気ない教室になってしまいそうです。
以前にも書きましたが、バレエ教室は先生と生徒、生徒と生徒、先生と親、親と親のコミュニケーションの場でもあります。中にはバレエ教室で深い人間関係を築く人もいれば、習い事と割り切った関係の人もいますから、関係値に応じて、コミュニティに深く参加できる余地を残しておくことが大事だと思います。
僕の子供も来年から小学生なので、PTAと教室の父母会、何がどれだけ違うのか興味津々です。
最後までお読みいただき、有難うございます!
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