現代につながるノイエタンツ -1-

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ずっと謎だったことがあります

モダンダンス」と「コンテンポラリーダンス」って何が違うの?

そもそも「モダン(modern)」と「コンテンポラリー(contemporary)」って、どちらも「現代の」っていう意味合いがあってまぎらわしいんですよ。

このちがい、ダンス経験者の方でもうまく説明できない人が多くないですか?

まして踊りをしてこなかった僕にとっては、「身体の使い方がちがう」とか言われても、ただただ謎が深まるばかり。

どうやらその謎を解く手がかりが、ノイエタンツにありそうです。

なにせブログをはじめるときに一番書きたかった記事が、ノイエタンツが世界に与えた影響ですから。

まだブログはじめて1ヶ月くらいしか経ってないのに

イチバン書きたいこと書いちゃって大丈夫?

大丈夫です。なんとかなります!!(←特に根拠なし)
ここをしっかりおさえておけば、モダンダンスとコンテンポラリーダンスの違いも理解できるようになるので、続きものになりますが、どうかみなさんお付き合いください。

これはノイエタンツが世界に与えた影響についてまとめたチャートです。今日から全4回のシリーズを読んでもらえば、このチャートがすっきりと頭に入るようになります。

ドイツ留学前夜の世界

まずはこれまで紹介した記事のおさらいです。

今世紀のはじめ、イサドラ・ダンカンの「自然に帰れ」の提唱とダルクローズのリトミックは当時のクラシックバレエ一辺倒の世界を大きく揺り動かして、舞踊を新しい表現に導くムーブメントを作り出しました。

やがてルドルフ・フォン・ラバンはダルクローズ門下のマリー・ウィグマンと共に、ノイエタンツを開発します。1920年、ドイツ東部のドレスデンという都市で「マリー・ウィグマン舞踊学校」が設立され、多くの振付家やダンサーを輩出します。

一方、おとなりのフランスではセルゲイ・ディアギレフによるバレエ・リュスが多くのバレエダンサーや著名な作曲家、芸術家などの協力を得て、大きな盛り上がりを見せています。

ここまでの内容がちょっとよく分からないという人は、

第一次世界大戦後の状況を国ごとにまとめた記事がある

からそちらを読んでね。

このような第一次世界大戦後に咲いた新たらしい芸術の華は日本にも伝わります。

祖父は1925年に17歳で九州の田舎から上京し、東洋音楽学校(現在の東京音楽大学)で音楽の勉強をしますが、外国から入る踊りのニュースや舞台に触発され、ダルクローズ門下の岩村 和雄が主催する舞踊研究所の門を叩いてリトミックと舞踊を学びます。

1930年 ドイツ ベルリン

1930年、音楽学校の卒業とともに祖父はドイツのベルリンに留学します。

1930年のドイツは「黄金の20年代」末期で、世界恐慌による経済不況と迫り来るナチスの足音を聞きながら、ワイマール文化最期の盛り上がりをみせていました。

次回の記事で紹介しますが、祖父が留学した時点ですでに多くのマリー・ウィグマン門下生やノイエタンツを習得した舞踊家が活躍しており、ベルリンだけでノイエタンツの学校が1000を超えるくらいあったそうです。

また、1929年8月にディアギレフが亡くなり、バレエ・リュスの主だったダンサーたちはドイツ国内の400以上ある国立・市立オペラ劇場専属のバレエ団に合流し、ドイツのバレエ界にも新しい息吹がもたらされていました。

祖父が留学して最初に通ったのはクラシックバレエの学校で、マリー・ウィグマン舞踊学校のベルリン校に通いはじめるのは翌年の1931年からになります。

祖父の本によると、ベルリン分校だけで生徒数は400人あまりいて、その半数はアメリカの留学生で占められており、レッスンは英語とドイツ語でなされたそうです。

まとめ

当時のドイツがいかに国際色豊かで、多くの才能が集まっていたかがお分かりいただけましたでしょうか?ドイツのノイエタンツ、フランスのバレエ・リュス、アメリカのモダンダンスの流れがベルリンを 中心に集まり、混じり合っています。

そしてここで混じり合った才能が、ナチスの台頭とともに今度は世界中に散らばっていくことになります。

次回は、当時ドイツで活躍していた代表的な人物にフォーカスを当てて、その後の世界的な影響を解説していこうと思います。

 


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